• 2022年

    マチコトバ – 指出 一正

    [選定作品]
    「湖」(串田孫一『遠い鐘の音』(筑摩書房)より)

    [選定理由]
    「感情が直接に、むき出しのまま表現されてはならない」。これは串田孫一さんの詩論の一節。
    山登りと魚釣りに魅せられたぼくは、串田さんの自然のなかに身を置いた文章が大好きで、この「湖」はお気に入りの一編です。
    魚はマスでしょうか。いや、もしかしたらウグイかフナかもしれません。泳ぐのを怠けています。
    すべてが静かで、ぼんやりとしている午後の湖。躍動とはまた異なり、しみじみと感じるゆるい生の象徴と、安心した幸せがこの情景から浮かんでくるのです。
    うとうとしたくなりますね。

    設置期間:

    〜2023年2月26日(日)

    設置場所:

    道後公園 西側外堀

    指出 一正
    さしで かずまさ

    「ソトコト」編集長。島根県「しまコトアカデミー」メイン講師、山形県小国町「白い森サスティナブルデザインスクール」メイン講師、奥大和地域誘客促進事業実行委員会、奈良県、吉野町、天川村、曽爾村「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」エリア横断キュレーターをはじめ、地域のプロジェクトに多く携わる。内閣官房、総務省、国土交通省、農林水産省、環境省などの国の委員も務める。経済産業省「2025年大阪・関西万博日本館」クリエイター。著書に『ぼくらは地方で幸せを見つける』(ポプラ新書)。

道後オンセナート2022(DOGO ONSENART 2022)

2022年、「みんなの道後温泉 活性化プロジェクト」の一環として、4年ぶりとなる芸術祭「道後オンセナート2022」を開催しました。
テーマは「いきるよろこび」です。2021年に先行して作品を公開した大竹伸朗さん、蜷川実花さん、隅川雄二さん、尾野光子さんの4名の作 品に加え、過去最多となる約30組のアーティストやクリエイターが参加、自由に鑑賞できる常設のアート作品を設置するほか、イベントを随 時開催し、いつ来ても楽しめる、何度も訪れたくなる芸術祭を開催しました。
道後温泉は昔も今も、人の身体を、心を温め続けてきました。心身を癒し、活力ある人生を送り、また、活気あふれるまちを未来につなぐた め、地域とアーティストやクリエイターが協力しあい、道後を、世界を温めました。

会期:2022年4月28日 〜 2023年2月26日

DOGO ONSENART 2022

一覧に戻る

道後におけるアートの取り組み