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2018年
傾いた風呂椅子
現代美術家として活動する久村卓は、道後温泉本館の風呂椅子をモチーフにしたモニュメントを制作します。普段あ まり気にとめることなく使っている椅子を見つめ直すべく、屋外の広場にスケールアップした風呂椅子を設置します。椅子は雨風で傷まないように立てかけられて乾かされています。
- 展示期間:
2018 年 4 月 14 日 – 2019 年 2 月 28 日
- 設置場所:
放生園東側県道沿(東休憩広場)
久村 卓ひさむら たく美術家。1977年、東京都生まれ。2001年、多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2003年、偶然聞くことになった藤堂塾の講義に感化され発表活動を開始。彫刻を学んでいながら形を作ることを止め、ミニマル・アートが 求めた最小限の形態を、平らな壁や床、シンプルな台座や椅子といった美術の制度を織り成す構成要素の中に 見出だし、意識されにくい構造物として積極的に取り入れ、それらに手を加えることで作品化を試みる。例え ばギャラリーの壁を切ってテーブルを作り、それをまた壁に戻した「Table or Wall」(2010)や、博物館の倉 庫から見つけた素材で自作の博物館を作った「都筑歴史博物館」(2008)など、制度そのものを作品化する事 も多い。また、2016 年に山口県宇部市のときわ公園で行ったワークショップ形式の恊働作品「お直しベンチ」は、 古くなって痛んだ公園のベンチを参加者が好きな色のパテで補修し、再び使いやすい状態に戻すという内容で、 パブリック・アートの新たな在り方を提示した。また近年では身体的な理由から、手芸の様々なテクニックを 作品に用いた制作を行っており、「BLUE LINES」(2017, THE WEEKENDER by Shinzone)、「家内制スカルプ チャー」(2016, AI KOWADA GALLERY)、3331Art Fair(2014, 2015, 2016) などで発表している。
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道後オンセナート2018(DOGO ONSENART 2018)
「道後オンセナート」のコンセプトテーマは2014年に引き続き、「アートにのぼせろ ~温泉アートエンターテイメント~」です。「のぼせる」とは夢中になるということ。 道後で展開されるアートは一部の人々に与えられる“特別なもの”ではなく、自由に感じられる、鑑賞できる、ごく身近なものです。 日本最古といわれる道後温泉で、人と土地のエネルギーを浴び、体験することで、大人も子どもも、遠方から来る人も地域の人も、 頭も体も楽しく「のぼせよう」というメッセージが込められています。
2017年9月のプレオープンを皮切りに、2018年4月のグランドオープン、2019年2月のフィナーレまでの18ヶ月間、ホテルや街中に設置される作品と多様なイベントを組み合わせて展開されまました。会期:2017年9月2日 〜 2019年2月28日