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  • 2026年

    道後温泉別館 飛鳥乃湯泉中庭インスタレーション

    道後温泉の起源である白鷺が、傷を癒すために舞い降りた瞬間。その眼差しが見つめた「湯面」を、飛鳥乃湯泉前の広場に巨大なコラージュとして現出させます。

    湯面とは、すべてを映しながら何も留めない「記憶の鏡」です。そこに白鷺が降り立ち、あるいは幾千の旅人が身を沈めるたび、水面には無数の波紋が広がりました。

    連なる色鮮やかな和傘は、この湯面に広がる「存在の波紋」そのものです。

    広がる波紋(和傘)と波紋の「間」を漂うように、多様な四季の花々がコラージュされて浮かび上がります。この花々は、湯けむりや空の色、そして明治・大正・昭和から現代へと至る人々の記憶の化身です。記憶を宿した花々は、単独でそこに在るのではなく、互いの縁が重なり合い、寄り添うように湯面を埋め尽くしていきます。過去と現在、自然と人、多様な存在が同じ水面で触れ合い、影響を与え合うことで、単なる個の集積を超えた、かつてない豊かな色彩と風景を織り成していくプロセスを可視化します。

    来訪者がこの広場に足を踏み入れたとき、視点は静かに揺らぎます。自分が「湯面の上」にいるのか、白鷺の眼となって「湯面を見下ろしている」のか。あるいは、自分自身が新たな波紋を生み出す一滴の雫なのか。見る者と見られる者、現在と過去、実像と虚像が反転し続ける「湯の眼」の体験を通じて、道後三千年の営みの連なりに深く没入する空間を創出します。

    【展示場所】
    道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 中庭 (松山市道後湯之町19-22)

    蜷川 実花
    にながわ みか

    写真家、映画監督、現代美術家

    写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。クリエイティブチーム「EiM(エイム)」の一員としても活動中。

    木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。2010年ニューヨークのRizzoliから写真集を出版。また、『ヘルタースケルター』(2012年)、『Diner ダイナー』(2019年)をはじめ長編映画を5作、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020年)を監督。

    これまでに写真集120冊以上を刊行、個展150回以上、グループ展130回以上と国内外で精力的に作品発表を続ける。

    個展「蜷川実花展with EiM:彼岸の光、此岸の影」(京都市京セラ美術館、2025年1月-3月)は、25万人を動員。

    最新の写真集に『VIRA』(bookshop M Co., Ltd.、2026年)、『mirror, mirror, mirror』(光村推古書院 、2026年)がある。 https://mikaninagawa.com

    主な展覧会/ グループ展「I’M SO HAPPY YOU ARE HERE」Palais de l'Archevêché、2024年 グループ展「Tokyo : Art & Photography」アシュモレアン博物館、2021年‐2022年 「MIKA NINAGAWA INTO FICTION / REALITY」北京時代美術館、2022年 「蜷川実花展」台北現代美術館(MOCA Taipei)2016年

道後におけるアートの取り組み